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 Be-h@us, Volkshaus の世界を進化させる BeV Standard についての AKi's MEMO
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樋隠し

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新建ハウジングプラスワンに連載を始めた「スタンダード住宅を目指して/秋山東一の STOCKTAKING 」の記事の最後、コラムの第1回は「樋隠し」の話であった。

今回、本文中に取り上げている二つのモデルハウス、木曽アルテック社の「木場の家」、鹿児島シンケンの「与次郎ヶ浜の家」の外観上の共通点は軒先についている軒樋の外側に付いた板、「樋隠し」と呼んでいるものなのである。
樋隠し/1

「樋隠し」という公式な用語があるかどうか定かではないが、鼻隠し…に準じてそう呼んでみた。これは木曽の奈良井、妻籠に保存継承されている民家の軒先の意匠として極々一般的なものである。軒先全長にわたって、軒樋の前面に金物によって支えられた板材である。

これは、これらのモデルハウスの設計以前から設計に取り入れていた物なのである。

それをやってみようと考えたのは、長い水平な、軒先の長さ15mの木造共同住宅を作った時、軒樋の傾斜が気になったからだ。全てに水平線を意識して作っているのに、それだけが機能上、勾配を持たねばならない……のは当然だが、それが気になったのだ。ずいぶんと「内樋」という形で樋自体を作っていたが色々問題があり既製品の樋を使うようになったのだ。軒樋自体の部品部材としての意匠も問題だが、一般的に竪樋・軒樋とも設計という行為の範疇外の扱い、建物の外側に付いた意匠外の物ように扱われていると感じたのだ。
鼻隠しの外に金物によって板を巡らし、その間に軒樋を設けるという形にしたのだ。

そのお手本とした木曽の「樋隠し」自体も不思議な物である。伝統的なディテールがある。しかし、面白い事に、樋自体が存在しない物もある。又、同じ意匠の仕掛けが妻側の鼻隠しの外側に付いているものも散見されるのである。はてさて、最初から樋がないものに取り付いている物を「樋隠し」とはこれいかに……というところではあるのだ。
その軒先での役目は……と問われれば、地元の方の見解では「雪止め」ということだが、木曽の伝統的な緩い勾配の板葺き石載せの屋根でどうして……ということもあるが、軒先での役割なのかも知れない。

まぁ、とにかく、この「樋隠し」によって軒先の水平線が強調されることとなった。又、両端部は切るのを忘れたかのように延ばす……という形が完成した。この形は、その後、フォルクスハウスの標準的な意匠となり、今もって、その軒先を飾っているのである。

樋隠し/2

この「樋隠し」の金物の設計は最近のもの、松本の飛曇荘の物である。

長年にわたって、金物については試行錯誤しいろんな形が試されている。今までの一般的な形は樋の下部を通すものであったが、上部を通す、垂木に止めて真っすぐ支持する形、木曽の伝統的な形が一番いいのではないかと考えている。
これならば、雪止めの役割を果たすのである。又、「樋隠し」の板自体は消耗品として考えていれば、何も問題ないように考えている。


本エントリーは新建ハウジングプラスワンの「スタンダード住宅を目指して/秋山東一の STOCKTAKING 」の記事の最後、コラムの第1回は「樋隠し」を基本としている。
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この記事に対するコメント

「格好」だけでなく、「機能」も兼ね備えたとても素晴らしいものですね。
たかさん | 2008/10/23 8:34 AM
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